序盤は繊細な旋律。 雨雫が湖面で跳ねているかのような、透き通った音だった。 終盤は徐々に力強さが見え、メロディで物語を描いているように思えた。 心が浄化され、自然と涙があふれてくる。 涙に気づいた先輩が、そっとハンカチで頬を拭ってくれる。 こんなに幸せな時間。 何だか先輩を騙している気分になる。 本当は偽りの時間なのに、先輩は気づかず優しくしてくれる。 早く、過去の記憶を取り戻さないと。 先輩をこれ以上騙していたくないから。