何も言わず黙り込んでいる僕を見て不思議に思ったのか、彼女は僕の顔の前に手の平を向けて左右に振る。
「おーい?起きてるー?」
近くで見るとやっぱり可愛いな、爽やかな少女を体現化したような容姿に僕は思わず見とれてしまう。
「・・・起きてるよ」
「ほんとかなー?香山君っていつも眠たそうな顔してるよね。ちゃんと寝ないとダメなんだよ」
「うん・・・」と返し僕は恥ずかしくなって視線を逸らす。
心臓が急激に高鳴り、体中を巡る血液が熱くなるような感覚を覚えた。
女子への免疫が皆無の僕にとって、この状況で緊張するなというのはかなり無理のある話だ。
「香山君、ここで何しているの?」
彼女は質問を続ける。
何をしているも何も、何もしていないのだから返しようがない。
「何もしていないよ。ただボーとしているだけ。家に帰っても暇だから、時々ここにきて時間を潰しているんだ」
「・・・帰りたくない理由でもあるの?」
「それも特にはないけど、部屋にずっといてもなんだか寂しくて。まだこうして景色を眺めていた方が少しはマシというか」
「そっか。確かに、部屋の中でなにもしないのは寂しいかもね」
「うん」
そこで一旦会話は終わった。
沈んでいく夕日を見ながら、互いに言葉を発する事もなく無音の時間がゆっくりと流れる。
ここで彼女が何も話さなければ、僕達の関係はこの場限りで終わっていたのかもしれない。
「おーい?起きてるー?」
近くで見るとやっぱり可愛いな、爽やかな少女を体現化したような容姿に僕は思わず見とれてしまう。
「・・・起きてるよ」
「ほんとかなー?香山君っていつも眠たそうな顔してるよね。ちゃんと寝ないとダメなんだよ」
「うん・・・」と返し僕は恥ずかしくなって視線を逸らす。
心臓が急激に高鳴り、体中を巡る血液が熱くなるような感覚を覚えた。
女子への免疫が皆無の僕にとって、この状況で緊張するなというのはかなり無理のある話だ。
「香山君、ここで何しているの?」
彼女は質問を続ける。
何をしているも何も、何もしていないのだから返しようがない。
「何もしていないよ。ただボーとしているだけ。家に帰っても暇だから、時々ここにきて時間を潰しているんだ」
「・・・帰りたくない理由でもあるの?」
「それも特にはないけど、部屋にずっといてもなんだか寂しくて。まだこうして景色を眺めていた方が少しはマシというか」
「そっか。確かに、部屋の中でなにもしないのは寂しいかもね」
「うん」
そこで一旦会話は終わった。
沈んでいく夕日を見ながら、互いに言葉を発する事もなく無音の時間がゆっくりと流れる。
ここで彼女が何も話さなければ、僕達の関係はこの場限りで終わっていたのかもしれない。