結局手紙の差出人が誰だったのかは分からなかった。 この世界に、僕とユリナ以外の人間がいる。 そんな懸念を残したまま、僕は自転車のペダルをゆっくりと漕いでいく。 ユリナの実家が徐々に遠ざかっていき、僕は晴天の空を見上げた。 この時僕は、手紙の差出人が発する意図を理解することができていなかった。