公園からアパートへ向かう帰り道、「リョウ君の家に行きたい!」と彼女は何々ちゃんの家に遊びに行きたいと同じような感じで僕に言ってきた。
「あまり人に見せられるような部屋じゃないから、汚いし」ともちろん僕は断ったが、「大丈夫!私掃除するから!こう見えても整理整頓は得意なんだよ!」と自信気に言われた。
だろうな。
君はいかにもきっちりしていないと気が済まないたちに見える。
そんな人が僕の部屋を見たらどうなるのか、予想がつかないわけじゃなかった。
しかし彼女が「どうしても行きたい!」と引き下がらず、それどころか「なら勝手についていくもん」と意地になって僕の後をついてきた。
もう好きにしてくれと僕は半ば諦め状態で抵抗する気も失せていた。
人が嫌いだと言っているのに、ここまで元気溌剌な彼女と話し続けていると精神の疲労が激しく段々頭が痛くなってきた。
もうすぐアパートに着く手前、「君の家はどこにあるの?」と聞いてみた。
彼女が帰る流れをなんとか作ろうかと最後の力で足掻いてみたが、返ってきた答えは「私に家はない」だった。
変なことを言う子だなと思ったが、真剣な彼女の表情を見てふざけているようには見えなかった。
「正しくは、私は自分の家を覚えていないの」
僕がここに来る以前の記憶がはっきりと思い出せないように、彼女の記憶もまた、忘れていることがあるのかもしれない。
しかし自分の家を覚えてない、つまりは帰られないということになると彼女は今まであの公園で寝泊まりしていたのか?
こんなに小さな子が、過酷なサバイバル生活を送っていたというのか?
「住む場所が無い・・・それは、不便だね」
「そう?別に必要ないと思うけど」
変なこと言うなーと彼女は不思議そうに首を傾げる。
僕は呆気に取られ、何も言い返すことができなかった。
彼女は一体、何を言っているんだ?
「あまり人に見せられるような部屋じゃないから、汚いし」ともちろん僕は断ったが、「大丈夫!私掃除するから!こう見えても整理整頓は得意なんだよ!」と自信気に言われた。
だろうな。
君はいかにもきっちりしていないと気が済まないたちに見える。
そんな人が僕の部屋を見たらどうなるのか、予想がつかないわけじゃなかった。
しかし彼女が「どうしても行きたい!」と引き下がらず、それどころか「なら勝手についていくもん」と意地になって僕の後をついてきた。
もう好きにしてくれと僕は半ば諦め状態で抵抗する気も失せていた。
人が嫌いだと言っているのに、ここまで元気溌剌な彼女と話し続けていると精神の疲労が激しく段々頭が痛くなってきた。
もうすぐアパートに着く手前、「君の家はどこにあるの?」と聞いてみた。
彼女が帰る流れをなんとか作ろうかと最後の力で足掻いてみたが、返ってきた答えは「私に家はない」だった。
変なことを言う子だなと思ったが、真剣な彼女の表情を見てふざけているようには見えなかった。
「正しくは、私は自分の家を覚えていないの」
僕がここに来る以前の記憶がはっきりと思い出せないように、彼女の記憶もまた、忘れていることがあるのかもしれない。
しかし自分の家を覚えてない、つまりは帰られないということになると彼女は今まであの公園で寝泊まりしていたのか?
こんなに小さな子が、過酷なサバイバル生活を送っていたというのか?
「住む場所が無い・・・それは、不便だね」
「そう?別に必要ないと思うけど」
変なこと言うなーと彼女は不思議そうに首を傾げる。
僕は呆気に取られ、何も言い返すことができなかった。
彼女は一体、何を言っているんだ?