『好きだから。好きなひとのとなりにいたいんだよ』

そんなに困った顔されたら少し傷ついちゃうなぁ……。

けっこうアピールしてたつもりなんだけどなぁ。


『……っ……』


たぶん私の顔真っ赤。熱を帯びていく。顔から全身に熱が伝わっていく。

勢いよく抱きついたけれど、ほんとうはドキドキしてて。

今だって抱きしめられてすっごくドキドキしてて。


『咲雪が俺のためにがんばってくれてたこと知ってた。でもどこかで無理してるんじゃないかってほんとうは嫌なんじゃないかって考えたら……。俺、咲雪にだけは嫌われたくなかった……』

きみが泣きはらした目を私に向ける。


『俺も好きだよ……』

『えっ！？』



不意打ちだったから、素っ頓狂な声を上げてしまった。

驚いている私のとなりできみが言葉を繋ぐ。

『好きだから嫌われたくなかった……』