すずと大きなスーツケースを私に押し付けた姉は、あっという間にその場から消え去ってしまった。
「ちょっと待って!」
私の叫びはむなしくも空に消える。
追いかけようにもすずを置いていけないし、抱えて走っても追いつけるわけがない。
どうにもできなくて私は頭を抱えた。
とりあえず、すずを家に入れてからスーツケースの中身を確認すると、すずの服やおむつ、おもちゃや絵本がぎっしりと詰まっていた。
そして傍らには銀行のカードと通帳。
恐る恐る中を開いて確認してみると、想像以上に大きな金額が入っていた。
……これで私にすずを育てろと?
あまりの用意周到さに開いた口が塞がらない。
すずはスーツケースから絵本を取り出すと、
無邪気な笑顔で言った。
「ねえね。よんで」
「……うん、ちょっと待って」
「よんでー」
まとわりつくすずを軽くいなしながら、私は姉に電話をかけた。
けれどその電話は繋がることはなかった。
【お客様のおかけになった番号は現在使われておりません】
唖然としつつ、何度試してみても結果は同じだった。
「ちょっと待って!」
私の叫びはむなしくも空に消える。
追いかけようにもすずを置いていけないし、抱えて走っても追いつけるわけがない。
どうにもできなくて私は頭を抱えた。
とりあえず、すずを家に入れてからスーツケースの中身を確認すると、すずの服やおむつ、おもちゃや絵本がぎっしりと詰まっていた。
そして傍らには銀行のカードと通帳。
恐る恐る中を開いて確認してみると、想像以上に大きな金額が入っていた。
……これで私にすずを育てろと?
あまりの用意周到さに開いた口が塞がらない。
すずはスーツケースから絵本を取り出すと、
無邪気な笑顔で言った。
「ねえね。よんで」
「……うん、ちょっと待って」
「よんでー」
まとわりつくすずを軽くいなしながら、私は姉に電話をかけた。
けれどその電話は繋がることはなかった。
【お客様のおかけになった番号は現在使われておりません】
唖然としつつ、何度試してみても結果は同じだった。