夜ももう遅くなってきたこともあり、私は超特急ですずの保育園の事やしなければいけないことをノートにまとめた。

あとはすずの好きなもの嫌いなもの。
生物はまだ食べさせちゃダメ。
お菓子も必要以上に与えない。
タグを触るのが大好き。
白米はおにぎりにするとよく食べる。

たった二日の事でどれだけ役に立つかわからないが、とにかく今思い付く限りのことを書いて柴原さんに託す。
それから、何かあれば携帯で連絡を取り合うことを決め、私たちは改めて連絡先を交換した。

「君はとにかくゆっくり休んで」

柴原さんはすずを軽々抱っこすると、荷物を抱えて病室を出ていった。すぐにすずの泣き声が聞こえて追いかけたくなったが、心を鬼にして我慢する。

きっと私と離れたことで泣いたに違いない。わかるよ、その気持ち。いくら柴原さんと打ち解けたとはいえ急に二人きりになるんだもん。きっと不安だよね。怖いよね。

すずの気持ちを考えると胸が痛み涙が滲んでくる。

すず、ごめんね。
不甲斐ないねえねでごめん。

謝っても倒れてしまったのだから、時間は戻せない。今は柴原さんの言うとおりゆっくり休んで体を回復させなければ。