「俺は美咲と結婚したい。美咲が突然そんなこというから、全然用意してなくて焦った。やっぱりプロポーズは男からしたいだろ?」

甘く微笑まれて胸がきゅんと疼く。

私は恐る恐る花束に手を伸ばした。
真っ赤な薔薇の花束は圭佑さんの気持ちが詰まっていて、ずっしりと重い。

「……なにそれ。……嬉しい」

私は照れた顔を隠すように花束に顔を埋めた。とても良い香りがして、それだけでクラクラ酔いしれそうになる。

嬉しくて嬉しくてたまらない。
さっきまでの心配は一体なんだったのか。
一人でぐるぐる考えて、一喜一憂してしまうのが何だか恥ずかしい。

「……よろしくお願いします」

私は花束に顔を埋めたまま返事をした。
圭佑さんの大きくてあたたかい手が私の頭を撫で、胸が張り裂けそうなくらいにぎゅううっとなった。