「すずはさ、ねえねがすずのお母さんになってもいい?」

いつかすずの寝顔に問いかけた質問。
そのときは“ママ”になってもいいかと聞いたけど、その後私は思い直した。
ママの座はやっぱり姉だと思うから。

その座を奪う気などないから、意味は同じだけど、私はお母さんの座を狙おうかなぁなんて思ったわけだ。
ま、言葉のあやなんだけど。

すずは無邪気に、

「いいよー!」

と言った。
そしてまた、何事もなかったかのようにリモコンの再生ボタンを押しDVDを見始める。

これは絶対わかっていない。
絶対理解してないことは目に見えている。
とりあえず返事をしておこう、それよりDVDが見たいと思っているに違いない。

それでも……。

それでも、私は、嬉しかった。