「何がないの?」
突然の声に私は顔をあげた。
どうやら柴原さんが仕事から帰ってきたらしい。悩みすぎていてリビングの扉の音すら気づかなかった。
「おかえりなさい」
「ただいま」
「すずの保育園に提出する書類書いてた。はいこれ、柴原さんも就労証明もらってきてね」
私は柴原さんにブランクフォームの証明書を手渡す。
「これは?」
柴原さんは記入途中の書類を指差す。
続柄の欄だけ空いた書類。
明らかに視線はそこに向いている。
「あー、うん、なんか続柄って書きづらいなって」
「そんなの書類上の話だろ。世間がどう思おうが俺たちが納得してるならそれでいいんじゃないか?」
「……あ、うん。そうだよね」
何でもないように言われ私はボールペンを持ち直し、【父】【叔母】【本人】と書いた。
柴原さんのことだから、てっきり「じゃあ結婚しよう」なんて言い出すかと思っていたので、正直拍子抜けだ。
ていうか、もしかして結婚を意識しているのは私だけなのだろうか。
突然の声に私は顔をあげた。
どうやら柴原さんが仕事から帰ってきたらしい。悩みすぎていてリビングの扉の音すら気づかなかった。
「おかえりなさい」
「ただいま」
「すずの保育園に提出する書類書いてた。はいこれ、柴原さんも就労証明もらってきてね」
私は柴原さんにブランクフォームの証明書を手渡す。
「これは?」
柴原さんは記入途中の書類を指差す。
続柄の欄だけ空いた書類。
明らかに視線はそこに向いている。
「あー、うん、なんか続柄って書きづらいなって」
「そんなの書類上の話だろ。世間がどう思おうが俺たちが納得してるならそれでいいんじゃないか?」
「……あ、うん。そうだよね」
何でもないように言われ私はボールペンを持ち直し、【父】【叔母】【本人】と書いた。
柴原さんのことだから、てっきり「じゃあ結婚しよう」なんて言い出すかと思っていたので、正直拍子抜けだ。
ていうか、もしかして結婚を意識しているのは私だけなのだろうか。