「なにしてるの?」

その声に私と柴原さんはそのまま崩れるように床に寝そべった。
どうしていいかわからずそのまま寝たふりをする。
そうだった、隣の部屋ですずがお昼寝していたんだった。
起きたときに私がいなかったから、一人でリビングまで出てきたのだろう。

「んー?寝てたよー?」

我ながら苦しすぎる言い訳だが、それ以外にどうしろというのだ。

「あれ?パパ?」

「ただいま、すず」

「パパもねてた?」

「んー、寝てたよ」

柴原さんも何事もなかったかのように起き上がり、すずを抱っこした。
抱っこされたすずはキャアキャア喜び、この光景に特に疑問を持っていないようだ。

はーーーー心臓に悪い。
流されるな私!

バクバクする心臓を押さえながらこっそりと胸を撫で下ろす。
柴原さんと目が合うと、眉を下げて苦笑いをしていた。

うん、この状況、苦笑いするしかないよね。
私もひきつった笑みで返した。