日曜日、柴原さんは急遽出勤になったらしく朝早く出ていった。社長というのは休日も関係なく仕事の電話がかかってくるらしい。
大変だなぁと考えつつ、すずと二人きり何して過ごそうか考えた。

すずはソファーをトランポリン代わりに、ピョンピョン跳び跳ねてケラケラ笑っている。

「すず、ソファーで跳ばないの」

「えー、やだー!あはは!」

三歳を過ぎたすずは語彙も増え理解力もぐんと成長し、なかなか素直に言うことをきかなくなってきた。従順に「はい!」と返事をしていた頃がすでに懐かしく感じる。

すずの有り余る体力は公園で消費するしかないだろうか。

私は重い腰をあげる。

「すずー、公園行こうか?」

「こうえん?やったー!いくー!」

こういうところはまだ素直だ。
私はすずのお出掛け用リュックに荷物を詰め込み、更にテンション高くなってしまったすずに帽子を被せて近所の公園に出向いた。