また、彼女は1人で泣いている。 「まどか」 俺は、彼女の名前を呼ぶ。 ガラス玉のような瞳は、ぬれていて。 涙は、溢れている。 「久遠(くおん)!」 涙ながらに俺の名前を呼び、走ってくる。 小さな身体で、耐えた彼女。 愛されたいのに、愛してもらえない。 どんなに求めても、もらえないモノ。 自分は、どうして愛をもらえないんだろう。 何が違うんだろう。 その思いが、俺の胸の方へこんこんと来る。