この家の両親とその子供たちだ。つまり、今し方倒したばかりの《野獣》の血縁者たち──

「その背中に隠した物を出しなさい」

【店長】は腰を抜かしながらも、少年が素早く背中に隠した物を見逃さなかった。

「お取引の最初に申し上げましたよね?『特別出張買い取り』においてはあらゆる記録、ことに映像記録・音声記録は残してはならない、と……」

部屋の奥で固まっている家族にも念を押す。

「祟りますよ」

【店長】は邪気のない顔でニッコリと微笑んだ。