「出しなさい」

【店長】の有無を言わせぬ気迫に、少年は震え上がっていた。

いや、少年だけでなくその部屋に居合わせた家族全員が、ガタタガタと震えている。

【店長】は《野獣》を倒した後、すぐさま“後片付け”に取り掛かった。石燈籠の並ぶ庭を抜け、雨戸の閉まった母屋へ向かう。

そして、雨戸に手を掛けるや力任せに引き開ける。

「ひいいぃ……!?」

引きつった顔で庭に面した廊下に腰を抜かしている中学生くらいの少年と、廊下の向こうの部屋にはその家族らしい5人の男女が、これまた腰を抜かしていた。