「俺は今のこの気持ちをこれからもずっと、持ち続けられるだろうか──」

そんなことを考えながら。

冷たい三日月が輝く、2月も終わろうとする夜。

誰もいなくなった広大な庭園には、どこからか梅の涼やかな香りが静かに漂っていた。