「“後片付け”は私がやりましょうか?」




「いえ、1番厄介なのは人間ですから……。ここは、店長の私が最後までやります」

【店長】は【代理】の申し出に背筋を伸ばし、生真面目に答える。

月光に美しく輝く銀色の髪に、金のメッシュが入った前髪が揺れる。

淡いブルーのワンピースの裾が夜風に揺れている。

その姿はあたかも可憐な花の妖精か、敬謙な聖職者のような不思議な雰囲気がある。

冴え冴えと澄み切った月明りの下、青と黒の男女の姿は石燈籠と樹木の美しい、日本庭園に今は静かに佇んでいた。