そして、鑑定用の白い手袋をはめた右手を差し出しながら、その手は微かに震えていた。

あれは祖父を馬鹿にし、煙たがり、今夜の出来事をイベントのように面白がっていた、自分達家族への怒りなのか。

本当にじいちゃんがあんな獣に変身するなんて、誰も信じていなかった。

ちょっとじいちゃん、ボケたんじゃね?くらいで。

セブン屋の化け物退治なんて、スゲー面白そうだったから、動画に撮ってネットにアップするつもりの軽いノリだった。

俺は今日の今日まで、じいちゃんが淋しがってたなんて考えてもみなかったんだ。