「眼球の奥に腫瘍ができると瞳が光る病気があります。お祖父さまが動けるようになったら、早めに病院で検査をしてください」

「え……!」

興奮しながら訴える父親に、今度は滴草が静かに説明した。

「祟りという言葉を私も先程使いましたが、その正体は強力な自己暗示です。

目が光るお祖父さまが獣のように思えた。

あなたの目撃証言と食事跡の異様さがご家族全員にも暗示を掛けたのかも知れません。

加えて景徳鎮のようないわくありげな骨董品には噂や物語の尾鰭が付くものです。

何か重大なご病気かも知れないお祖父さまの様子を確かめもせずに……」

「……」