「それはやっぱり、景徳鎮に取り憑かれたってことでは……」

「人だけでなく、物にも食い物にされる。寂しさとは、そういう猛毒になりうるんですよ」

滴草は父親に釘を刺すように念を押す。

「お祖父さまを孤独になさってますね?原因はそれです」

「わ、私たちは別にお祖父ちゃんをいじめてなんか……」

「お祖父さまに限らず、人は成りたいものに成ろうとするものです。

それを“食いものにされる”と表現したまでです」

久慈は微笑みながら付け加えた。