「景徳鎮に描かれた麒麟の図柄が勝手に飛び出して、夜な夜なお祖父さまに乗り移ったなどと本気でお考えですか?
非科学過ぎてお話になりません」

滴草は心底呆れ返っているようだった。

「でも、私は確かに……!」

「寂しさに付け入られることはありますがね」

滴草とこの家の父親が、険悪な雰囲気になってきたのを察した久慈が間に入ってきた。