だが、セブン屋の2人が去って、恐る恐る家族全員で倒れ込んだ祖父の様子を見に行くと、祖父はいつもの着物姿でぐったりと庭先に倒れ伏していたのだった。

「あの女の人、言ってたね……。

『寂しいと付け入られる』って。

『人だけでなく、物にも食い物にされるんだ』って──」

「ああ、そうだったな……」

父親も息子と同じように月を見上げた。

『お祖父様が獣の姿に見える?それは目の錯覚です』

あの滴草とかいう質屋の店長は何食わぬ顔で、自分たち家族にそう言い放った。