夜7時過ぎだというのに部屋の明かりは消えている。

代わりにいつも寝床の枕元に置いあるスタンドが弱々しい光を放つ。

そしてその光に映し出された祖父は四つん這いだった。

手づかみではない。

両腕を獣の前足のように踏ん張り、顔を皿に押し付け、猛然と貪り食う。

しかも瞳の色が普通ではない。

息子からは横顔しか見えないが、祖父の瞳はまるで炎のようにチロチロと青緑色に輝いていたのである。