そして、祖父の異変はこの頃から始まった。

離れに閉じこもりひがな一日、景徳鎮を眺めている。

どんなにひどい口喧嘩をしても食事は母屋で家族と一緒に摂っていたのにそれもしない。

仕方なく、食事は離れに運んでいたがその食べ方が尋常ではなかった。

主に中学生の孫娘が盆を下げに行くのだが、とにかく、茶碗や皿がぐちゃぐちゃと食べ残しで汚れている。

たまに、お椀や皿の端が何かに噛り取られたようにぎざぎざの切り口を見せて欠けている。

食事の作法や行儀には厳しく、身をほぐした後の魚の骨もきちんと皿に並べていたのに、今は頭ごと食いちぎるのかそもそも骨を残さない。