あんた、親の遺体を私たちに“買い取り”させるつもりだったの!?
このバチ当たり!!

「その件でしたらご心配には及びません」

いつの間にやって来たのか、【代理】が【店長】の後ろから声を掛ける。

「大切なご家族に刀など振るいませんよ。ほら、これはただの“新聞紙”です」

そう言うと【代理】はニッコリと微笑み、先程《野獣》と闘ったばかりの“木刀”にライターの炎を近づけた。

すると“木刀”はたちまち青白い炎に包まれ、【代理】の手元から音もなく崩れ落ちて行った。

日本庭園にはほのかな月明りと、紙の焦げた匂いがただ立ち込めばかりだった。