「ねえ真実さん。待ってよ」
言葉だけで追いかけてくる海君を、私は今回ばかりは絶対にふり返らないと心に誓う。
(待たない! そんな……笑いながら呼んだって、絶対に待たない!)
私は黙ったままさらに足を速める。
「ゴメン。ふざけすぎた。待って」
いくら頼まれたって、海君が決して走って追いかけてはこないってわかってたって、そう簡単にはもう止まれない。
これは私の意地だ。
「……あれ? ねえ真実さん。ほら、面白いのがあるよ」
ふいに海君の声音が変わり、しかもその声が、立ち止まったように聞こえたけれど、
(そんな手には乗りません!)
私はかまわず歩き続けた。
「ねえ本当だって……ちょっと見て! ……ほら!」
(見ません!)
心の中で思いっきり意地悪に返事をして、そのまま歩き続ける。
真っ直ぐに前を見たまま、わき目もふらずに歩き続ける。
だけどしばらくするとだんだん不安になってきて、私の歩く速度は自然とどんどん落ちていく。
あれっきり聞こえなくなってしまった海君の私を呼ぶ声に、本当はたまらなく不安が募る。
だって私は知っている。
懸命に気づかないフリを続けているけれど、海君の体調が常に万全の状態ではないことを、頭のどこかでもうわかってる。
だからちょっとしたこと、ほんの些細なことにも、たまらなく不安になる。
真っ青な顔をして、眉根をギュッと寄せていたあの日の海君の顔が、どうしようもなく頭をチラつく。
(まさか……! ひょっとして……?)
不安に駆られて、もうどうしようもなくて、のろのろとなっていた足をついに止めた私は、いつの間にかすぐうしろに来ていた海君に、両肩をガシッと掴まれた。
(……よかった。具合が悪くなったわけじゃなかったんだ……)
ホッとした瞬間、そのまま体をクルリと反対向きにされる。
「えっ? 何?」
真正面から向きあうかたちになった海君は、笑い含みの視線だけで、私に道路脇の壁に貼られたポスターを示した。
それまで彼の言葉を軽く聞き流していただけだった私は、その時になって初めて、彼が私に見せようとしてくれていたものに気がついた。
壁に何枚も貼られたポスター。
目に飛びこんできたのは深い深い藍色。
『海――私の心に残るふるさと』
そこに書き連ねられていた文字に、思わず隣に立つ海君の顔を見上げた。
「これって真実さんとおんなじ思いなんじゃないの? ……ね、おもしろいでしょ?」
目が眩みそうなくらいに鮮やかに笑った海君に、思わずつられて笑い返してしまった。
(だめだ……負けちゃう……)
どんなに怒っていても、意地を張っていても、どうやら私は海君の笑顔には勝てないようだ。
初めからわかっていたこと。
これ以上はいくら意地を張ったって無意味なだけ。
私はため息を吐いて、海君に一歩近づいた。
(みっともなくって……悔しくって……でも、もういいよ。どうでもいいや、そんなこと……)
今、隣にいてくれるこの笑顔を、もっとしっかり見つめなきゃもったいない。
海君と一緒にいられるこの時を、もっと大切にしないと、――私はきっと後悔する。
どうして急にそんなふうに思うようになったのかと訊かれれば、それはもう、悪い予感に追われる本能だったとしか答えようがないけれど、私はその時確かにそう感じていた。
そしてそれが自分にとって一番大切なことだと判断した。
そんな決心をせずにはいられないくらい、海君の笑顔は眩しくて――どこか儚かった。
「これって写真展みたいだよ……?」
ポスターを指でなぞるようにしながら、書かれている文字を読んで、海君は私をふり返る。
「真実さんは、海が好きでしょ?」
私が『海』と名づけた彼に、改めてそんなことを尋ねられると、思わず言葉に詰まる。
けれども、それは確かに本当のことだったので、私は黙ったまま頷いた。
「これ、一緒に見に行こうか?」
にっこり笑って海君は私に提案する。
私もちょうど、そうできたらいいな――なんて思っていたところだったので、もう一度こっくりと頷く。
「真実さんは、本当に海が好きだもんね?」
からかうようなその口調にはさすがに反論しておかなくちゃと、口を開きかけたが、彼の顔を見上げたら、何も言えなくなった。
海君はこの上なく優しい瞳で、私を見つめていた。
なんだか切ない。
「どうしたの?」
てっきり私から怒りの反撃が来るだろうと想定して、わざとからかい気味に話していたらしい海君は、少し意外な顔をする。
その顔に微笑みかける。
なんでもないという意味で笑う。
でも私の心の均衡は、すでに大きく大きく傾きつつあった。
海君と一緒に行ったその写真展は、表通りから少し入った裏路地の、あまり目立たないギャラリーでおこなわれていた。
場所的にはとても狭く、他にお客の姿もない。
ほんの気持ち程度の観覧料を支払って、私たちは手を繋いだまま、その藍色に囲まれた空間に入った。
ごく普通の、海の写真だった。
大きさ的にはかなり大きな作品になるのかもしれない。
一枚一枚が壁一枚分くらいの大きさで、大迫力で迫ってくる。
そこに写っているのは、南の島のため息が出るような青い海ではない。
沢山の小さな漁船が浮かぶ海。
どちらかと言えば暗い深いその色。
すぐ近くに迫る、無数の対岸の島。
それらに囲まれた小さな切れ切れの海には、生活の匂いがする。
かもめの声と、蒸気船の汽笛の音。
人々の声とそれを全て飲みこむ波の音。
目を閉じればいつでも私の耳に残っている大切な故郷の音が、一気に甦って、私は息をするのもやっとだった。
(どうしよう……涙が出そうだ……!)
繋いでいた手にも思わず力が入ってしまったけれど、海君はそんな私の手を、負けないくらいの強さで握り返してくれた。
「真実さんはどうして、俺を『海』って呼ぶことにしたの?」
囁くように問いかけられて、仰ぎ見たその顔は、とても優しい顔だった。
初めて会ったあの夜から、海君はずっとそんな表情で私を見つめてくれている。
だから――。
「なんだか優しい気持ちになれたから……私がずっと帰りたいと思っていた、あの故郷の海と同じに……すごく懐かしくって、離れたくないような感じがしたから……ふふっ……会ったばっかりだったのにこれって変だね……」
小さく笑った私の頭を、海君がそっと引き寄せた。
「ありがとう。すっごく嬉しい」
声が震えてた。
私もそっと、自分から海君の胸に頭を預ける。
「こっちこそありがとう……本当にいつもいつもありがとう……」
涙声になった私の頭に、海君が大きな手を載せる。
撫でるように、そっと優しく私の短い髪を梳く。
「真実さん……夏休みになったら故郷に帰りなよ」
海君にはどうして、いつも私の考えていることがわかってしまうんだろう。
それが恥ずかしい時も、悔しい時もたくさんある。
でもそれ以上に、本当に泣きたいくらいに嬉しくなる瞬間がある。
どうしようもなく救われる。
心から安心する。
こんなに自分をわかってくれる相手が隣にいてくれるなんて、まるで夢の中の話みたいだ。
(でも夢じゃない……)
髪に触れる大好きな長い指に体じゅうの神経を集中させながら、私は自分に言い聞かせるように何度も確認する。
(夢なんかじゃない……だけど目を閉じてもう一度開いた時に、彼がまだここにいてくれる保証はどこにもない……)
胸が苦しい。
最初っからわかっていて、受け入れているつもりだったことが、今はもうこんなに胸に痛い。
いなくなってしまうのかもしれない。
海君は、本当にもうすぐ私の傍からいなくなってしまうのかもしれない。
この恋は幻みたいな恋だったんだと、私はその時、改めて思い知るのかもしれない。
(辛いよ……悲しいよ……でもこの瞬間、海君が隣にいてくれることが、それが私の今の幸せの全てだから……!)
まだ分からない先のことを憂えて、落ちこんでいく気持ちを私はふり切った。
「うん、そうする。ひさしぶりに家に帰ってみる……」
笑顔で頷いた私に、海君も笑顔になった。
「またこっちに帰ってくる時には、俺が迎えに行くよ。どこまでだって……真実さんのお迎えが俺の仕事だからね」
「うん」
嬉しくて幸せで、そしてちょっぴりおかしくって、私は笑った。
「真実さんが大好きなその『海』を、俺も見に行くから……」
「うん」
私もあの風景を海君に見せたいと思った。
私の大好きな景色を、匂いを、音を、一緒に感じてほしいと思った。
そうしたら聞けるかもしれない。
私が疑問に思って、不安に思っていること全部、あの場所でなら海君に尋ねることができるかもしれない。
それでたとえどんな答えが返ってきたとしても、それを受け止めることができるかもしれない。
そう思うと少しだけ安心して、肩の力が抜けたような気がした。
ずいぶんひさしぶりに、考えごとをせずに、今日は眠りにつける気がした。
ホッとため息を吐く私を、海君が優しく見下ろしている。
誰よりも何よりも愛しい瞳で笑っている。
だから私はそっと背伸びして、その頬にキスする。
「真実さん?」
驚いて私を見つめ返した海君を、本当の意味で初めて驚かすことができたと、なんだか嬉しくなった。
あなたのことを想う時、自然と浮かんでくるのが私の本当の笑顔。
作りものなんかじゃない本物の笑顔。
あなたと出会うまでは知らなかった。
あなたがいないと思い出せない。
だからどうかもっと傍にいて。
くり返しくり返し私に思い出させて。
できることなら永遠に――。
どうか私の傍にいて。
お願い――。
言葉だけで追いかけてくる海君を、私は今回ばかりは絶対にふり返らないと心に誓う。
(待たない! そんな……笑いながら呼んだって、絶対に待たない!)
私は黙ったままさらに足を速める。
「ゴメン。ふざけすぎた。待って」
いくら頼まれたって、海君が決して走って追いかけてはこないってわかってたって、そう簡単にはもう止まれない。
これは私の意地だ。
「……あれ? ねえ真実さん。ほら、面白いのがあるよ」
ふいに海君の声音が変わり、しかもその声が、立ち止まったように聞こえたけれど、
(そんな手には乗りません!)
私はかまわず歩き続けた。
「ねえ本当だって……ちょっと見て! ……ほら!」
(見ません!)
心の中で思いっきり意地悪に返事をして、そのまま歩き続ける。
真っ直ぐに前を見たまま、わき目もふらずに歩き続ける。
だけどしばらくするとだんだん不安になってきて、私の歩く速度は自然とどんどん落ちていく。
あれっきり聞こえなくなってしまった海君の私を呼ぶ声に、本当はたまらなく不安が募る。
だって私は知っている。
懸命に気づかないフリを続けているけれど、海君の体調が常に万全の状態ではないことを、頭のどこかでもうわかってる。
だからちょっとしたこと、ほんの些細なことにも、たまらなく不安になる。
真っ青な顔をして、眉根をギュッと寄せていたあの日の海君の顔が、どうしようもなく頭をチラつく。
(まさか……! ひょっとして……?)
不安に駆られて、もうどうしようもなくて、のろのろとなっていた足をついに止めた私は、いつの間にかすぐうしろに来ていた海君に、両肩をガシッと掴まれた。
(……よかった。具合が悪くなったわけじゃなかったんだ……)
ホッとした瞬間、そのまま体をクルリと反対向きにされる。
「えっ? 何?」
真正面から向きあうかたちになった海君は、笑い含みの視線だけで、私に道路脇の壁に貼られたポスターを示した。
それまで彼の言葉を軽く聞き流していただけだった私は、その時になって初めて、彼が私に見せようとしてくれていたものに気がついた。
壁に何枚も貼られたポスター。
目に飛びこんできたのは深い深い藍色。
『海――私の心に残るふるさと』
そこに書き連ねられていた文字に、思わず隣に立つ海君の顔を見上げた。
「これって真実さんとおんなじ思いなんじゃないの? ……ね、おもしろいでしょ?」
目が眩みそうなくらいに鮮やかに笑った海君に、思わずつられて笑い返してしまった。
(だめだ……負けちゃう……)
どんなに怒っていても、意地を張っていても、どうやら私は海君の笑顔には勝てないようだ。
初めからわかっていたこと。
これ以上はいくら意地を張ったって無意味なだけ。
私はため息を吐いて、海君に一歩近づいた。
(みっともなくって……悔しくって……でも、もういいよ。どうでもいいや、そんなこと……)
今、隣にいてくれるこの笑顔を、もっとしっかり見つめなきゃもったいない。
海君と一緒にいられるこの時を、もっと大切にしないと、――私はきっと後悔する。
どうして急にそんなふうに思うようになったのかと訊かれれば、それはもう、悪い予感に追われる本能だったとしか答えようがないけれど、私はその時確かにそう感じていた。
そしてそれが自分にとって一番大切なことだと判断した。
そんな決心をせずにはいられないくらい、海君の笑顔は眩しくて――どこか儚かった。
「これって写真展みたいだよ……?」
ポスターを指でなぞるようにしながら、書かれている文字を読んで、海君は私をふり返る。
「真実さんは、海が好きでしょ?」
私が『海』と名づけた彼に、改めてそんなことを尋ねられると、思わず言葉に詰まる。
けれども、それは確かに本当のことだったので、私は黙ったまま頷いた。
「これ、一緒に見に行こうか?」
にっこり笑って海君は私に提案する。
私もちょうど、そうできたらいいな――なんて思っていたところだったので、もう一度こっくりと頷く。
「真実さんは、本当に海が好きだもんね?」
からかうようなその口調にはさすがに反論しておかなくちゃと、口を開きかけたが、彼の顔を見上げたら、何も言えなくなった。
海君はこの上なく優しい瞳で、私を見つめていた。
なんだか切ない。
「どうしたの?」
てっきり私から怒りの反撃が来るだろうと想定して、わざとからかい気味に話していたらしい海君は、少し意外な顔をする。
その顔に微笑みかける。
なんでもないという意味で笑う。
でも私の心の均衡は、すでに大きく大きく傾きつつあった。
海君と一緒に行ったその写真展は、表通りから少し入った裏路地の、あまり目立たないギャラリーでおこなわれていた。
場所的にはとても狭く、他にお客の姿もない。
ほんの気持ち程度の観覧料を支払って、私たちは手を繋いだまま、その藍色に囲まれた空間に入った。
ごく普通の、海の写真だった。
大きさ的にはかなり大きな作品になるのかもしれない。
一枚一枚が壁一枚分くらいの大きさで、大迫力で迫ってくる。
そこに写っているのは、南の島のため息が出るような青い海ではない。
沢山の小さな漁船が浮かぶ海。
どちらかと言えば暗い深いその色。
すぐ近くに迫る、無数の対岸の島。
それらに囲まれた小さな切れ切れの海には、生活の匂いがする。
かもめの声と、蒸気船の汽笛の音。
人々の声とそれを全て飲みこむ波の音。
目を閉じればいつでも私の耳に残っている大切な故郷の音が、一気に甦って、私は息をするのもやっとだった。
(どうしよう……涙が出そうだ……!)
繋いでいた手にも思わず力が入ってしまったけれど、海君はそんな私の手を、負けないくらいの強さで握り返してくれた。
「真実さんはどうして、俺を『海』って呼ぶことにしたの?」
囁くように問いかけられて、仰ぎ見たその顔は、とても優しい顔だった。
初めて会ったあの夜から、海君はずっとそんな表情で私を見つめてくれている。
だから――。
「なんだか優しい気持ちになれたから……私がずっと帰りたいと思っていた、あの故郷の海と同じに……すごく懐かしくって、離れたくないような感じがしたから……ふふっ……会ったばっかりだったのにこれって変だね……」
小さく笑った私の頭を、海君がそっと引き寄せた。
「ありがとう。すっごく嬉しい」
声が震えてた。
私もそっと、自分から海君の胸に頭を預ける。
「こっちこそありがとう……本当にいつもいつもありがとう……」
涙声になった私の頭に、海君が大きな手を載せる。
撫でるように、そっと優しく私の短い髪を梳く。
「真実さん……夏休みになったら故郷に帰りなよ」
海君にはどうして、いつも私の考えていることがわかってしまうんだろう。
それが恥ずかしい時も、悔しい時もたくさんある。
でもそれ以上に、本当に泣きたいくらいに嬉しくなる瞬間がある。
どうしようもなく救われる。
心から安心する。
こんなに自分をわかってくれる相手が隣にいてくれるなんて、まるで夢の中の話みたいだ。
(でも夢じゃない……)
髪に触れる大好きな長い指に体じゅうの神経を集中させながら、私は自分に言い聞かせるように何度も確認する。
(夢なんかじゃない……だけど目を閉じてもう一度開いた時に、彼がまだここにいてくれる保証はどこにもない……)
胸が苦しい。
最初っからわかっていて、受け入れているつもりだったことが、今はもうこんなに胸に痛い。
いなくなってしまうのかもしれない。
海君は、本当にもうすぐ私の傍からいなくなってしまうのかもしれない。
この恋は幻みたいな恋だったんだと、私はその時、改めて思い知るのかもしれない。
(辛いよ……悲しいよ……でもこの瞬間、海君が隣にいてくれることが、それが私の今の幸せの全てだから……!)
まだ分からない先のことを憂えて、落ちこんでいく気持ちを私はふり切った。
「うん、そうする。ひさしぶりに家に帰ってみる……」
笑顔で頷いた私に、海君も笑顔になった。
「またこっちに帰ってくる時には、俺が迎えに行くよ。どこまでだって……真実さんのお迎えが俺の仕事だからね」
「うん」
嬉しくて幸せで、そしてちょっぴりおかしくって、私は笑った。
「真実さんが大好きなその『海』を、俺も見に行くから……」
「うん」
私もあの風景を海君に見せたいと思った。
私の大好きな景色を、匂いを、音を、一緒に感じてほしいと思った。
そうしたら聞けるかもしれない。
私が疑問に思って、不安に思っていること全部、あの場所でなら海君に尋ねることができるかもしれない。
それでたとえどんな答えが返ってきたとしても、それを受け止めることができるかもしれない。
そう思うと少しだけ安心して、肩の力が抜けたような気がした。
ずいぶんひさしぶりに、考えごとをせずに、今日は眠りにつける気がした。
ホッとため息を吐く私を、海君が優しく見下ろしている。
誰よりも何よりも愛しい瞳で笑っている。
だから私はそっと背伸びして、その頬にキスする。
「真実さん?」
驚いて私を見つめ返した海君を、本当の意味で初めて驚かすことができたと、なんだか嬉しくなった。
あなたのことを想う時、自然と浮かんでくるのが私の本当の笑顔。
作りものなんかじゃない本物の笑顔。
あなたと出会うまでは知らなかった。
あなたがいないと思い出せない。
だからどうかもっと傍にいて。
くり返しくり返し私に思い出させて。
できることなら永遠に――。
どうか私の傍にいて。
お願い――。