「って言うわけで、今日から空は『有名人』です。街を歩いたら知らない人に声をかけられるし、移動は変装してしなきゃいけない。行きたいお店も、もう友達とは行けないし。普通の生活はもう出来ない。顔も公開しちゃったし」

その千尋さんのセリフ、昨日も聞いた。
電話で直接聞いた。

昨日と全く同じ内容。

「だから、『改めて聞きたいな』って。本当にあたし、『チロルと一緒に活動していけるのか』って。もう一度、空の口から聞きたいの。本当に、『千尋と一緒にいてもいいのか』ってね。この業界、辛いことの方が多いし・・・・・」

昨日の私は、『大丈夫です！千尋さんと一緒に頑張っていきたいです！』って力強く応えた。
むしろその業界のことが何も知らない私だから、『どれくらい辛いのだろう』って変に興味を持った。

だから私、『出来る所まで挑戦したい』って言葉を付け加えた。

そして今日も、その気持ちは変わらない。
だって『待っている』だけじゃ、人生いいことなんてやってこないから。
自分で幸せを掴み取らないと。

自分を変えたいなら何事も動かないと。

「私は、今もそうだけど、今の自分が嫌いっていうか。だから『変わりたい』と思って、千尋さんと一緒に活動も始めていきたいし。というか最近思うのですけど、変わり始めて毎日に楽しいですし。踊りの練習していて、『挑戦することってすごく楽しい』と思うようになりました。『こんなにも私って笑えるんだ』って始めて知りましたし」

その言葉を証明するかのように、私は無意識に笑っていた。

『私、美柳空はどんな時も笑えるんだ』って。

『人生笑って楽しんで生きて行きたいんだ』って。

「だから、もっと笑えるように生きて行きたいです！もちろんこれから先、『辛いことが私にまだ待ち受けている』っていうか、『今まで以上に辛いこと』があると思います。でもその時は私、無理はしません。辛いことがあったら、千尋さんや誠也さんに助けを求めます。海ちゃんや燐ちゃんに孝太くんや花音ちゃんにもすぐに相談します。『助けて』って言います。みんな私の大切な、大好きな仲間ですから！」

そして笑顔が消えそうになったら、誰かに相談する。
みんな優しいから、絶対に力になってくれるはず。

それもみんなに教えてもらった。
一人では人間生きていけないし、

『困ったら誰かに相談する』という言葉の意味を教えてもらった。
みんな自分が思っている以上に優しいし、力になってくれるし。

でも・・・・。

それを拒む私がまた現れるかもしれない。
この前の私みたいに、『生きることを諦めてしまうほど、精神が追い込まれる』こともあるかもしれない。