だって二人って、『いじめられる側』と『いじめる側』の関係だったのに。
私のせいで海ちゃんは酷い思いをしたのに・・・・。

・・・・。

何一つ理解出来ない・・・。

そうやって混乱する私に、今度は花音ちゃんが声を掛けてくれる。

「よかったね。りんりんとうみちゃんが仲良くなって。もう最悪の関係じゃないんだよ」

「えっとその」

そう花音ちゃんに教えてもらっても、全く付いていけない私。
未だに私の目の前で喧嘩をする二人の姿が信じられない私。

本当に意味がわからないし・・・・。
そうやって混乱する私を、再び花音ちゃんが抱き締めてくれる。

同時に、またしても耳を疑う言葉が花音ちゃんから聞こえてくる。

「ごめんなさい空。花音、間違ったことしていた。『脅されていたから』って、絶対に空を攻撃するなんてダメな行動だった」

脅された?

「だからごめんなさい。本当にごめんなさい」

と言うか、謝らなくて良いのに。
花音ちゃんや燐ちゃんが謝る必要は本当に無いのに。

悪いのはやっぱり全部私なんだし・・・・・。

だから、私は何度でも謝る。
二人の気持ちを踏みにじるように、自分の思いだけを伝えようとする。

けど・・・・。

「私こそごめんな」

「あー聞きたくない聞きたくない。そらちゃんの言い訳なんて聞きたくない」

そう言って耳を押さえながら、私の『ごめんなさい』の言葉を上書きする花音ちゃん。

そして燐ちゃん同様に、花音ちゃんは私に説教を始める。

「燐に言われたばっかでしょ?『自分に嘘つくな』って。無理矢理『自分が悪い』ってことにしてさ。それ、誰も得しないし」

誰も得しない。

でも私が悪いことにはかわりないんだし。
私が『悪いこと』をしたから、謝らないといけないのに・・・・。

・・・・・・・。

花音ちゃんは私に優し過ぎる。