そこは、どこか不思議な雰囲気のする喫茶店。
『くれぇん』と看板が出ているその店構えは、カフェというより骨董屋――。

その喫茶店では、若い青年がマスターをしていて、気まぐれにコーヒーを一杯、奢ってくれるという。
たった一つの、不毛で真実を求めない、謎解きを添えて。

人の心に寄り添う、「こうだったらいいな」「こうであれば素敵だな」という「たら・れば」の推理は、疲れ切った心を、コーヒーの香りと共に癒してくれる。
本物を暴かない、新感覚ハートフルミステリー。