いつも奈々のことをちゃんと見てくれている。
祐吾の嘘偽りのない真っ直ぐな瞳が奈々をドキドキさせる。
好きだと言ってくれる、その気持ちに応えたい。

奈々は、隣を歩く祐吾の手をそっと握った。
祐吾は何の躊躇いもなくぎゅっと握り返してくる。
祐吾の大きな手に包まれて、心が苦しいほどに締めつけられた。

「祐吾さん、今日は来てくれてありがとう。」

「ああ。」

「大好き。」

心から言えた気がした。


いつしか空には花火が上がって、夜空をキラキラ輝かせていた。

二人は少し小高い神社の境内から、それを眺める。
手を繋いで、腕を絡めて、寄り添うように。

「綺麗だね。」

奈々がそう呟くと、返事の代わりに優しいキスが降ってきた。