だからといって奈々を責め立てる気にもならず、倉瀬はふうと息を吐く。
「そんなに俺と寝るのが嫌だったか?悪かったな、強引なことして。」
倉瀬は奈々の頭をぽんっと撫でてから立ち上がった。
ああ、違うの。
待って。
行かないで。
そのまま部屋を出ていこうとする倉瀬に、奈々は慌てて手を伸ばす。
どうにか届いた倉瀬の袖を思いきり引っ張った。
クンっという衝撃で振り向けば、奈々が上目遣いで見つめている。
今にも泣き出しそうな顔をしたかと思うと、倉瀬にしがみついた。
「ごめんなさい。行かないで。側にいて。」
絞り出した言葉は甘くて切なくて。
奈々の可愛らしい甘えに、倉瀬は気持ちが抑えられなくなりそうだった。
しがみつかれている腕をほどき、逆に倉瀬から奈々を強く抱きしめ直す。
と、奈々もそれに応えるようにぎゅっと力を入れた。
普段甘えない奈々がこんな態度で、可愛くて仕方ない。
だが、倉瀬は奈々が小刻みに震えているのに気付いた。
「やっぱり泣いてんじゃねーか。」
「…ごめんなさい。」
倉瀬は奈々の肩に手をやると、視線を合わせながら優しく聞く。
「奈々、何が奈々をそんなに不安にさせる?」
倉瀬の優しさは奈々の胸をぎゅっとさせた。
きっと不安にさせているのは私の方なのに。
こんなにも優しくしてくれてるのに。
こんなにも幸せをくれているのに。
なんて私は愚かなんだろう。
「そんなに俺と寝るのが嫌だったか?悪かったな、強引なことして。」
倉瀬は奈々の頭をぽんっと撫でてから立ち上がった。
ああ、違うの。
待って。
行かないで。
そのまま部屋を出ていこうとする倉瀬に、奈々は慌てて手を伸ばす。
どうにか届いた倉瀬の袖を思いきり引っ張った。
クンっという衝撃で振り向けば、奈々が上目遣いで見つめている。
今にも泣き出しそうな顔をしたかと思うと、倉瀬にしがみついた。
「ごめんなさい。行かないで。側にいて。」
絞り出した言葉は甘くて切なくて。
奈々の可愛らしい甘えに、倉瀬は気持ちが抑えられなくなりそうだった。
しがみつかれている腕をほどき、逆に倉瀬から奈々を強く抱きしめ直す。
と、奈々もそれに応えるようにぎゅっと力を入れた。
普段甘えない奈々がこんな態度で、可愛くて仕方ない。
だが、倉瀬は奈々が小刻みに震えているのに気付いた。
「やっぱり泣いてんじゃねーか。」
「…ごめんなさい。」
倉瀬は奈々の肩に手をやると、視線を合わせながら優しく聞く。
「奈々、何が奈々をそんなに不安にさせる?」
倉瀬の優しさは奈々の胸をぎゅっとさせた。
きっと不安にさせているのは私の方なのに。
こんなにも優しくしてくれてるのに。
こんなにも幸せをくれているのに。
なんて私は愚かなんだろう。