萌葱さんはそのまま一人で帰ってしまうのかと思っていたら、意外にも梨華と途中まで一緒に帰ってくれた。ただ、帰り道にお互い何も言葉を発することはなかった。
梨華は正直気疲れしていたし、萌葱さんも何も気にする様子もなく黙って横を歩いていただけなので、その沈黙に甘えることにした。
夕日が二人の影を長くし、時折二つが重なる様子が、梨華はやけに不思議に感じた。


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