「あの・・・・・・。」




口を開いたのは、男性の方だった。





「まだ、自己紹介してなかったね。僕は、榊原 一輝(さかきばら かずき)。君の夫。26歳。」




「じゃあ、私達は結婚して・・・・・・。」




「うん。僕達は同じ職場で出会って交際して2ヶ月前結婚したんだ。僕らは、実家に暮らしてて僕の両親と高校生の妹がいるんだ。」





「そう・・・・・・。」





「やっぱり何も思い出せないの?」





「えぇ、全く・・・・・・。」




「そっか・・・・・・。でも、焦らずゆっくりと思い出せれば良いよ。」





「ありがとう。一輝さん。」