ふと、神宮の足元に目が行った。

昨日、神宮の部屋にあったのとは柄が違うけど、似たような大きさの袋が置かれている。

こんな可愛いもの、神宮が購入したものではないことは明白だ。

……そんな神宮は想像するだけでキモい。そして、誰が作ったか言わなかった美味い料理。

知り合い。――知り合い、ね。

……そうだな、ここは、お前らが言う証拠摑んでから来い、ってとこか?

自分に問題をふっかけ、しかしあらかた推測はついているので、さて証拠を摑みに行こうかと机から腰をあげた。

追い詰めるのなら逃げ場をなくせ。逃げ場を埋めて退路を断て。

極悪なまでに性格の悪い春芽(かすが)吹雪(ふゆき)流の攻め方だ。

今はぴったりだと思う。

神宮、雲居、春芽の三人の師が華取さんと二宮さんなら、俺はその三人に師事していると言えるかもしれない。

「ま、いーや。道踏み外すなよ、センセイ?」

「お前は大人しく生徒やってろよ……」

呆れ混じりにそんな忠告を受けても、俺は肯きはしない。

大人しくやっていたら、なんにも出来ねーんだ。

お前らに憧れちまった身としてはなぁ?