「あの、訊いていいのかわからないんですけど……先生って、実際のところどういう立場なんですか?」
「実際?」
「警察に捜査協力? しているとか、本業が犯罪学者とか……」
昨日は、上辺のことしか説明していなかった。疑問に思って当然だよな。
「俺らの育ての親の一人が、龍さん――龍生さんなんだ。龍さんのことは知ってるんだろう?」
「はい。父さんの親友ですから、よくうちにも来てます」
「龍さんが警察の人間だった、その関係で事件に首突っ込むようになって、中学のときアメリカの大学に留学して博士号取って来た。だからその後は、まあ学者って立ち位置になるかな」
「中学って……ど、どういう頭してるんですか……?」
華取が目を見開いて驚いた。……変なこと言ったかな。
「それが――なんで先生やってるんですか?」
「……三年ほど、教師をやっていた方が都合よくなってな。再来年度には教師は辞めるつもりだ」