「マナさん発信なら父さんが逆らえないのも仕方ないけど、なに? これ、本当に見合いでもさせる気なの?」
私は着物姿が落ち着かなくて、袖をパタパタさせながら在義父さんを問い詰める。
「それが私も何も聞いてないんだ……」
「帰っていい?」
「ごめん、一目逢うくらいはして。春芽くんの私や龍生への爆弾投下がひどくなるから……」
最早顔もあげない在義父さん。
龍生さんとは、二宮龍生さん。
在義父さんの幼馴染で、ホンモノの相棒だ。うちにもよく来てくれる。
ただ、龍生さんがやっているお店へはまだ出入り禁止されているけど。
うーん、在義父さんも龍生さんもすきだから、今以上に二人に迷惑かけるのは嫌だなあ。
でもマナさんもすきだからマナさんの言うことも叶えてあげたいけど、見合いとか本気でめんどくさいなあ。
少し、目を瞑って唸った。
マナさんは歩く地雷原と言われるように爆弾投下がお好きな優秀な刑事だが(今日のコレも爆弾だろう)、幼い頃に桃子母さんを亡くしている私にとっては、母代りのうちの一人だ。