「いいんですか? 先生が抱え込んじゃったりは……」
「元々そういう性格だ。心配しなくていい」
「そう、ですか?」
華取は心配するような眼差しだ。
だが俺の仕事は、関係がないのなら本当に知らない方がいいものだ。今知られている奴ら以上に、誰に言う気もない。
「それで――華取の話は?」
「あ、そうでした」
華取は少し緊張した顔で、こちらへ歩み寄った。
足が止まると突き出されたのは、小さな袋だった。
「……これは?」
「お弁当です。先生のお昼ごはんと、夕飯の二食分あります」
「………」
………?
正直――華取の言動の意味がわからず、受け取ることも返事も出来なかった。
「……なんで、そんなものを?」