「明日の昼休みは出てくること出来るか?」
「大丈夫ですよ。話つけにいきますか?」
「お前が言うと時々物騒だな」
「たぶん父さんの影響かと」
「そうなのか」
華取は真面目な顔で肯いた。そして、在義さんの名が出ると俺も素直に肯いてしまう。
「少し詳細を調整したい。昼休み、旧館の歴史科の資料室に来てくれないか?」
「旧館? に、先生いるんですか?」
「一人で作業するときに使わせてもらっている。今は誰も使っていないから都合がいいんだ」
「わかりました。それ以外に気を付けることとかありますか?」
「学校では今までと変わらない態度でいてくれるとありがたい。急変するとどこから疑われるかもしれないから」
「了解です。では、おやすみなさい」
「ああ。……遅くまですまなかった。しっかり寝ろよ」
「はい」
そう言って華取が見せたのは、華が綻んだような幼い笑顔だった。
普段が大人っぽいから、余計愛らしく見える。
……愛らしい? なにがだ?