話がひと段落したところで在義父さんに仕事の連絡があり、先生を伴って急遽出向くことになった。

そのやり取りで、本当に先生が警察官ではなく専門家として関係しているのだとわかった。

マナさんは警視庁の所属なので、ここは管轄外だ。

私を家まで送っていくという名目で残ってくれた。

私は師匠に気絶させられてここへ連れて来られたので、帰り道どころか現在地もわからなかったので助かった。

マナさんに説明されると、家からは少し離れたところだということはわかった。

師匠め。夜々(やや)さんに言いつけてやる。

心中でしょーもない毒を吐いて、マナさんと並んで歩く。

実際には言いつけるなんて出来ない小心者は私だ。

茶室は建物の奥にあって、入り口に面したホールにラウンジが作られ、そこで和菓子やお茶がいただけるらしい。マナさんの誘いでそちらへ廻った。

在義父さんが忙しいときに、とは思うけど、マナさんと過ごせる時間も私には貴重なので、ノコノコついていくことにした。

私の母を知る人。知っていて、母代りをしてくれている人。……大事だ。