にっこり、マナさんスマイル。

と、隣の部屋でどの辺りかを聞かれたようだ……。

二人の利害一致、これ以上の見合いは勘弁のあたりがしっかり組み込まれている……。

改めてマナさんのポテンシャルの高さに戦慄した。

どういう耳と行動力しているんだ。

「どうかしら?」

どうもこうもない。

反対しかかった私だけど、またもや先生の視線で口を閉ざした。

危ない危ない、きっと自分が何を言っても、マナさんには足元を掬われていただろうことが容易に想像できる。

ここは先生が大人の対応をしてくれるのを―――

「……それが、華取さんの恋愛に邪魔になったりはしないんだな?」

え? どうしてか先生はそんなことを訊いた。

「ええ。仮婚約は、ちょっとばっかし流夜くんの行動に制限かけたいだけだし。だから重くとらえなくていいわ。それに、これは咲桜ちゃんのためにもなると思うし」

「私のため、ですか?」

急に話を振られて、私はきょとんとする。