「あー、ここも久しぶりです」
カウンター席、俺の一つ隣に腰かけて、嬉しそうに足をぶらつかせる愛子。
……あのさ、話すんのはお前ら二人なんだろ? 俺を間にしないでくれねえか?
「来てなかったのか?」
在義が言う。
「しばらく忙しかったのと、龍生先輩に出禁にされていたので」
在義が俺を見てくるので、舌打ちした。
「うちの客と喧嘩したんだよ、こいつは」
「ああ……」
簡単な説明から在義は察した。ここの客は俺と同じ世界の奴らだ。あるいは降渡と。その連中と喧嘩した……。まったく吹雪の血縁だ。
「だからまだ来るんじゃねえよ」
「華取先輩の呼び出しならいいでしょう?」
「さっさと話し済ませて帰れよ」
「どうして咲桜と流夜くん選んだ?」
「だって流夜くんって危ないじゃないですか」
「………」
こいつら、簡単に深い話に入った。