「だーめ」

「だって……どうしようもないじゃん……。私がたくさんの人の幸せ、壊してるのは本当なんだから」

在義父さんの幸せを、夜々さんの幸せを、桃子母さんの幸せを――。

そう、呟く咲桜。

……咲桜は、壊したと思っているのか。その上でいつも、あんな笑顔を振りまいて……。

「それも、責任か?」

「……うん。でも、こればっかりはどうすれば責任とれるか、わかんない……」

そういうところに引け目を、負い目を感じているのか。

「なら咲桜、俺に対しての責任もとってもらおうか」

「また⁉ 私、流夜くんにほんとなにしたの⁉」

「あ、いや。昨日のは責任取るのは俺の方だから。そこは混同しなくていい」

「流夜くんはなにしたの⁉」

「うん、だからそのうちまたしてやるから」

「今してよ! じゃないと考え込んで眠れないよ!」

「あー、今は無理だなー。朝間先生の瞳が光ってる」

「なんで夜々さん⁉ てか――今度は私なにした⁉」

「俺を幸せにした」