「えっ、ど、どうしたの夜々さん――」
「神宮さんに、ご挨拶しなきゃと思って。咲桜ちゃんの母親代わりの一人としてね」
にっこり、朝間先生は微笑んだ。確か保健室の天使とか言われていたな……それと同じ笑顔だった。
と、とりあえず中に――と焦った咲桜に促されて、朝間先生も一緒に華取家へ入った。
「夜々さん、……」
玄関先で言葉に詰まる咲桜に、朝間先生は微笑んで見せた。
「別に咎めたりしないわ。あの日は母さんも加担していたみたいだしね。マナちゃんにも少し聞いたわ」
愛子とも知り合いかよ……。在義さんの元部下、だしな、あいつ。
「ただ――咲桜ちゃんの相手が神宮先生、てのは問題あると思って」
まあ、バレてるか。
俺は硬直した咲桜の肩に手を載せて、なだめるみたいなことをした。
「いつ、俺だと?」