「………」

安易に答えてはいけない。肯定するのはもっとも避けなければならない。

何故朝間先生がいる? 隣の家……なのか? そう言えば咲桜が「ややさん」って呼んで――

「別に警戒しなくても、神宮さんがやっていること、学校でばらしたりしませんよ。在義兄さんの言いつけですから」

「………」

在義にいさん? 朝間先生は在義さんと親しいのか?

誰何(すいか)するか刹那悩んだとき、ドアが勢いよく開いた。

「流夜くん!」

咲桜が満面の笑顔で飛び出して来た。

「いらっしゃ――夜々さん⁉」

俺と対峙する朝間先生を見て、素っ頓狂な声をあげた。そしてまた泡喰った顔になる。