あなたはいつも笑ってゆるしてくれました。でも、わたしはわたしをゆるせませんでした。

 そして、とうとう……。

 咲桜は、生きています。一緒に死んでしまおうと思ったことは、否定できません。でも、出来なかった。

 咲桜に望める幸せを、私は奪えなかった。

 どうかお願いします。今までわたしにくださった愛情、総て咲桜にあげてください。あの子はわたしの罪咎とはなんの関係もありません。ただの子供です。そして、あなたの子供でいさせてください。

 図々しいお願いばかり、すみません。

 咲桜を、在義さんの娘として育ててください。

 わたしのことは、話さなくて構いません。

 咲桜、愛しています。でも、わたしは咲桜の幸せの邪魔になる。在義さんの未来を壊すだけになる。

 ここで退くこと、どうか。

 ゆるさなくていいです。ただ、わたしのことは過去として、お願いです生きてください。

 愛しています。愛していました。

 いただいた愛情を、少しも返せなくてごめんなさい。         』