ドキッとした。頼には話していないけど、実は大きなことがあったから。

笑満といい、鋭いな。

「なんか変に見える?」

「変って言うか……まあ、いいや」

喋るのが面倒だとでも言うように、頼は欠伸をした。

相変わらずの頼のローテンション。

……頼は、このテンションの時の方が問題ないから困るんだよなあ。

「なんかあったら言えよー」

「なんかあったらね」

ばいばいーと、頼の家との分かれ道で手を振る。

在義父さんは、今日遅くなると言っていた。

もっとも、その予定があてになることはろくにないのだけど。