「咲桜の恋愛相談中でーす」
「ちょ、笑満!」
「あら」
口元に手を当てておどける様子に、一気に恥ずかしくなった。
「全然ちっともそんなんじゃないですから! 笑満、帰るよ!」
「あはは。咲桜面白―い。じゃあねー、先生」
「気を付けてねー」
ぶんぶん手を振る笑満の腕を引き寄せる。
「笑満! ばれたらどうすんの!」
「ばれないって。あたし、咲桜と話すときは『流夜くん』て呼んでるでしょ? そういう小さなとこ気を付けてれば、案外大丈夫だよ」
「あ……そういえば」
そういう意味だったのか。ただの嫌がらせか、からかいだと思っていた。