「流夜くんもそうだと思ったんじゃない? 咲桜からプロポーズされたって」
「えええっ⁉」
「だって普通そうでしょ。他人が家族になるって言ったら、結婚しかないでしょ。咲桜、どういうつもりでそう言ったの?」
「………」
「咲桜」
「ただ……一緒にいる、と」
「……あー、可愛いねー咲桜は」
笑満が横から抱き付いて、腕を伸ばしてくしゃくしゃと私の髪を掻き混ぜた。
「まー、流夜くんが笑ってくれてる間なら、危ないことにはならないでしょう。しばらく流夜くんに弄ばれてなさい」
「言い方非道いな!」
「なに騒いでるのー?」
「え、あっ朝間先生」
「二人はまだ帰らないの?」
ひょこっと姿を見せたのは、白衣姿の養護教諭だった。
ふわふわのセミロングの髪に可愛い顔立ち、小柄な先生は女子にも男子にも人気だ。