流夜くんの応答を聞いて、笑満は私の肩に手を置いてから静かに出て行った。
残されて、もう泣きそうだった。自分なにしたんだよーっ! お願い笑満戻って来て―っ! 心の中で叫びまくっていると、流夜くんの視線を感じた。
「咲桜、」
「はうっ、ごめんなさいっ!」
「いや、だから謝るのは俺の方なんだって」
流夜くんは椅子を立って、私の傍まで歩み寄った。
「なんでそんな顔をする」
色々な不安が怯えに変わっている私に、流夜くんは不思議そうな顔だ。
「だ、って……私、流夜くんが淋しくなるようなことをしたんじゃ……?」
その答えが意外だったのか、流夜くんは目を見開いた。
「今朝、そんな風に見えて……」
離れた背中が、そう見えて。言うと、流夜くんはゆっくり喋り出した。
「そんな風に見えていたのか?」
「う、ん……」
私はびくつきながら肯く。流夜くんは手を口元にあてて何か思案している。