「―――」

俺の申し訳ない響きの告白に、咲桜は目を見開いた。

……今までに、自分からこのことを話したのは、降渡や吹雪たち同郷以外では一人だけだ。

ニュースにもなったような事件だから、調べようとすれば簡単に調べはつく。

その一人以外は、大体向こうが調べて知ったという感じだ。

「犯人は捕まってない。それが、俺が警察に関わるようになったきっかけだ。……大丈夫か?」

咲桜の顔色が悪い。いや……こんな話を聞いて、気分のよくなる者はいないだろう。

やはり話すには焦り過ぎたか。

……あまりに咲桜が真剣に踏み込んでくるから、自分もその距離をうまく摑めないでいた。余計に心を重くしてしまっただろうか――

「っ、咲桜?」

首筋になにかが巻き付いて、正面から衝撃を受けた。

一瞬遅れて理解する。咲桜が抱き付いて来たのだと。